とある元高専生のブログ

読書記録・日常で思ったことなどを書きます。

高専からの編入試験 推薦の傾向と対策は?問題予想?

 

僕が電気通信大学 Ⅲ類(機械系)に編入した時、とった編入推薦試験の対策について書きたいと思います。

 

kerf.hatenablog.com

 

少しでも情報格差をなくすことを目的にしているのでなるべく学科問わず理系の編入生に役に立てるよう書きました。

一応、電気通信大学の推薦試験の様子を先輩のブログを過去5年ほど遡ってまとめたものも貼り付けておきます。受験期にメモしたものをそのまま貼っています。

 

 

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教科書眺めるだけでテストに突入する僕はこのおじさんと仲良くなれそう。まぁ、テスト死ぬんですけども

 

推薦編入試験の形式

基本的には農工大東工大電気通信大学などどの大学も面接官の前でホワイトボードに問題を解くというのが主流のようです。しかし、僕が受けた電気通信大学のⅢ類では20分ほどの筆記試験が行われました。

学校も詳しく情報公開をしていないので突然変わることがあり、あまり傾向はないのだと思います。

 

対策方法

1.先生の前で解く

教員室に行き先生に問題を出してもらいその場で解きます。あらかじめ範囲などを伝えておくのが良いと思います。

2.友達に教える

問題を解く時無言になりがちなので、誰かに教えながら解くという訓練が出来ます。友達だと「なんでココそうなるの?」などを言いやすい環境なので教えることで場馴れ出来ると思います。

 

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女の子と勉強できる環境ならもう少し勉強してた気がする、、、

 

編入推薦試験の出題範囲

電気通信大学に関わらずほとんどの大学が推薦編入の募集要項に『数学、物理、専門知識』とのみ書かれていると思います。一般編入のように過去問で情報公開をしていません。

また、物理・数学は編入用の参考書がありますが、専門科目に至ってはそれすらもないので試験範囲がわからず、どこまで勉強すれば良いのか不安になると思います。

 

まず結論から先に書くと
"基礎を理解しているかを問う10分程度で解ける問題"です。

なぜ僕がこう考えたのかを書いていきます。

 

→受験人数から考えても一人の面接時間は多く見積っても30分
→質疑応答もあるので数学と専門で最低2問だとしても一問にかける時間は最長10分程
→短時間で実力を測りたいので、暗記より理解重視で複雑な式変形・計算力を問う問題はない

→原理を理解していればすぐに答えられる問題などが出やすい

→長々と条件を与えた問題文に対して小問1問はコスパが悪いので関連性のある小問をいくつも出せる問題。

 

と僕は考えました。

 

あとは、この考え方を元に受験校の先輩に聞くりして学校の色を探してください。おそらく集団面接などでない限り、周りの友達に聞いた感じではあながち的外れな考え方はしていないと思います。

 

具体的な出題範囲

じゃあ、数学とか専門の範囲はどうなのか?

"基礎を理解しているかを問う10分程度の問題"

と、"一般試験で出題頻度が高い"という2つの観点で予想しました。

 

数学

数学に関しては非常に範囲が広くコレをやっとけばOKと言えるものがありませんが、一応感覚として出やすいものは分かりました。試験前に見直しをするならここかな程度に聞いてください。1つの大門で多くの小問が作れるものが出やすいです。

偏微分、極地、変曲点、最大最小値

積分極座標表示、部分積分、置換積分

固有値、対角化、行列のn乗、逆行列

一次変換、rank、線型独立、線形従属、次元、Imf、Kerf、部分集合

リーマン・コーシー、周回積分、留数定理、極形式オイラーの公式

直線の方程式、円の方程式

 

多少勉強している人はお気づきでしょうが、関連する内容が多いので大門で全て聞かれてもおかしくないと思います。

 

専門科目

推薦試験は範囲が公開されていないので、まず同じレベルの大学の一般編入試験の専門科目の過去問を集めました。すると、基本的には4年の前期の範囲でした。高専、短大など多くの学校から人が集まるので少しでも差を減らすためこのようになっているのだと思います。

ここから高専の先生などに聞き込みをしてさらに範囲を絞りました。専門科目は狭く深くがいいと思います。


自分は機械科なので四力についてです。(機械系以外は読み飛ばしてください)

 

  • 熱力学

熱力学第一法則、ポアソンの関係、等温・等積・等圧条件下でのΔU、ΔQ、ΔW、ΔS、ΔH

可逆断熱変化、エントロピー増大の法則、カルノーサイクル、逆カルノーサイクル、熱効率、成績係数、

熱力学第二法則、クラウジウスの表現、トムソンの表現

範囲はオットーサイクルくらいまでなのかなと言った印象です。

 

表面張力、圧力、圧力中心、連続の式、運動量保存則

ベルヌーイ式(ピトー静圧管、トリチェリーの定理、絞り流量計、オリフィス流量計、ベンチュリー管、サイフォンの原理

たまに、レイノルズ数やハーゲンポアズイユ流れなどを聞かれることがありますが、基本ベルヌーイ式と連続の式さえ理解してれば解ける問題ばかりだと思います。

 

  • 材料力学

せん断力と圧縮力(まわりの記号の意味とそれぞれの求め方)

薄肉容器・薄肉球殻の応力、ねじり、熱応力、圧縮応力

曲げモーメント、断面二次モーメント、たわみ

衝撃応力、座屈、カスティリアノの定理は聞かれることは少ない印象です。

 

  • 機械力学

非減衰自由振動、減衰自由振動

非減衰強制振動、減衰強制振動

二自由度減衰振動

機械力学は運動方程式と線形微分方程式が解ければよいので物理と数学の後に勉強すると楽だと思います。

 

個人的には、豊橋の過去問を参考にすると範囲はわかりやすいのかなと思います(多分他の学科も同じだと思います)あと、これは自分の感覚で書いてあるのであって全て正しいとは限りません。僕だって不安だったので出ないだろうなと思うところまで勉強しました。試験が終わって合格した後、「あそこは勉強する必要なかったな」でいいのです。5年の定期試験がかなり楽になるし、なにより大学入学した後、あの時やっておいてよかったと思える瞬間がくるかもしれません。

(おすすめの参考書などは随時ブログに)

 

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サブリミナル的に女の子の画像を挟むことで高専のイメージを払拭するという姑息な作戦です

 

面接の質問まとめ

就職試験の面接の質問まとめは沢山あるものの編入用はあまり無かったのでブログ、先生に聞いたものをまとめました。

・筆記試験の手応えは?

・なぜ編入を選んだか?なぜ就職しないのか?

・なぜうちの大学か?他ではダメなのか?

・苦手な専門科目は?

・英語は得意ですか?

・大学院は行きますか?

・勉強以外に学生生活で努力したことは?

・大学で頑張りたいこと?

・他大学は受験したか?

・最近気になっていることは?

・行きたい研究室は?

高専での卒研は?

 

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面接官左3人「なんでこの人の履歴書、横書きなんだ?」

面接官右「あ、似顔絵描きやすい顔だ」

 

 

電通大の推薦試験の傾向

一応、受験期に僕が調べてメモした推薦試験の傾向をそのまま載せておきます。(過去5年程先輩方のブログを遡ってiPhoneのメモにまとめたものをコピペしました)

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31年度
数学 微分積分線形代数から1つ選ぶ
   固有値、固有空間の基底
専門(II類)
   情報、電気回路、電磁気学、力学から1つ

 

29年度
数学 必ず解く必要がある
   関数の奇遇判定 極限 3次正方行列の逆行列
物理 力学か電磁気を選択
   力学 バネの質点系の問題
   電磁気 磁界と電流の問題
専門 (Ⅲ類)
   材力、流体、機力、電子回路から二問
   材力 両端支持集中荷重せん断力モーメント
   たわみ基本式、たわみ、たわみ角
   流体 ピトー管の問題
   機力 バネ、質量系において斜面を傾ける
   電子回路 電流期間バイアス回路の説明

 

31年度
数学 大門が2つ
   線形代数 固有値 固有ベクトル
   一次変換の表現行列
   微積極値

 

26年度
数学 大門が2つ
   ベクトル空間 1次独立かどうかの判別
   複素関数
・専門(Ⅰ類)
   プログラミング
   電磁気学 球殻の表面に電荷が分布
   ガウスの法則が使える条件

 

25年度

数学
    微積分、固有ベクトル、ランク
専門 (Ⅰ類)
    電磁気 RL回路 インピーダンス

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かなり適当にまとめています。もっと詳しく知りたい人は自分でそれぞれのブログを見つけてください

 

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まとめ

Ⅲ類は受験者が少なくあまりブログを書いている人が少ないですが、僕が調べた過去の先輩方のブログを見ると例年口頭試問で数学微積線形代数から1つ選択)、物理専門(おそらくⅢ類は機械力学、材料力学、流体力学、熱力学から1つ選択)を面接官の前で解くというのが多い印象です。ですが、僕の年は何故か筆記試験だったので傾向はなさそうです。いずれにしても試験で緊張することなく基礎問題を当たり前のように解ける人が合格するのだと思います。

ちなみに、一般試験は傾向が変わることはほとんどないため過去問を早めにやることをお勧めします。

ZENPENという高専からの編入生用のサイトがあるので理系の編入生はぜひ参考にするといいと思います。

 

 

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僕も受験期は先輩のブログをブックマークに登録して定期的に見ていました。頑張ってください!